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野良猫アニキの自由研究

どうすればショアから大型青物(70cm~1m)を釣れるのか?そのためのタックル選びやポイント探しのコツをテーマにした自由研究です。

【ウラ技!】筆で塗るより簡単なマル秘アイテムがあった! ガイドスレッドコーティング ガイド交換用の2液性エポキシ樹脂を比較インプレ。便利アイテム紹介 東邦産業 ジャストエース ナガシマ

■2021/11/13 追記

 

 (≡ΦωΦ≡)こんにちは、猫のアニキです。

 

 今回はガイドのスレッドコーティングに使っているアイテムの紹介です。

 

 あまり需要は無いと思いますが、道具選びにはかなり苦労があったのでこれから始めようと思っている方に参考になればいいなと思っています。

 

 ちなみに僕はロッドビルディングではなく主にガイドの補修程度で技術的にはほぼ初心者。

 ガイドスレッドの補修、コーティングは10回くらい(ガイドの数は20~25個くらい)しかやっていません。

 

 なので初心者向きの記事です。

 

 ※一部の製品は現在も検証中なので記事の内容に修正や変更を行う可能性があります。

 

 

 

 

2液性エポキシ樹脂の比較

 

 最初はどこのメーカーの何を買えばよいのか全然分からず、ネットで調べても意外と情報が無かったり、廃盤になっていたりして苦労したのがエポキシ樹脂選び。

 

 僕がいままで使った5種類を紹介するんだけど、それにあたって1つお話があります。

 

 何かというと、どのメーカーも専用のうすめ液が割高なので検証の大半は代用品を使っています。

 

 主に使っているのは東邦化研 エンジンウレタンシンナー 万能タイプ(生産終了品)です。

 そのため検証結果が正確ではない可能性(専用品だけを使っていればもっとよい結果が出た可能性)がありますので予めご了承ください。

  

 

 

何度やっても失敗。東邦産業 ウレタンクリヤーEX

 

 
 アマゾンでは非常に評価の高いこの商品。
 価格も安く、釣具屋にも売っているので最初に使ったのがこれでした。
 ところがかなりの頻度で液を攪拌した時点で白濁
 ※うすめ液は専用品を使用。
 
 一般的に白濁の原因は湿度の可能性が高いらしいけれど天気は晴れで湿度計を見ても問題無し。※たしか湿度50~60%くらいだったと思う。
 気温はやや低いとはいえ10度以上。
 原因がわからず液を20~25度くらいに温めてみたがそれでも白濁。
 
 施工後1週間経ってもかなり高い確率で硬化不良を起こし、爪で押すと薄く跡が付く。
 計量も攪拌もかなり念入りに行ったけれど改善なし。
 
 日を改めるとたまに白濁しないことがあったけれど、同じ日にエポキシやうすめ液を追加補充した途端白濁するのでいつまでたっても作業が進まない。
 
 ちなみにアマゾンの悪い評価の中に僕とほぼ同じことを書いている方がいた。
 結局半月くらい試行錯誤したが解決できずもったいないけど予備も含め2セットを捨てました。
 
 単に僕が下手なだけかもしれないけれど、スレッドコーティングに初挑戦する方は念のためご注意ください。
 
 
 

販売終了した東邦化研 エンジンウレタン

 

 これはエポキシではなくウレタン。

 エポキシとは若干特性が違うらしいけれど基本的には同じ使い方ができる。

 ちなみに釣具専用ではなく汎用品です。

 

 1液と2液の合計が210mlくらいあり、価格は1700円くらいですごく単価が安い。

 攪拌した時たまに白濁したけれど東邦産業のウレタンクリヤーEXより断然マシ。

 施工も比較的ミスは少なめでとても良かった。

 

 難点を言えば量が多いのが逆に仇となり、何度も開封しているうちに硬化剤が固まって蓋が開きづらくなり、最終的に半分以上残したまま固まってしまった。

 

 なのでロッドビルディングではなくガイド補修くらいだとコスパは逆に悪くなるかもしれない。

 

 しかも東邦化研が販売終了しているのでもう手に入らない。

 

f:id:necoaniki:20200911034412j:plain

左が固まってしまった硬化剤

 

 

 

仕上がりは奇麗だけどコツが必要。東邦産業 エポキシコート

 

www.fishing-toho.com

 

 

 

 これもアマゾンで非常に高評価。

 中、大型釣具店であれば売っていることが多い。

 

 仕上がりは奇麗で耐久性も十分。

 

 ただ、アマゾンの悪い評価にも書かれてあるんだけど慎重にやらないと乾燥後デコボコが発生。

 タチが悪いことにある程度乾燥するまでデコボコが見えない。

 

 (≡ーωー) ミタクナイ キモスルケド...

 

 デコボコの形は筋状であったり、砂浜の波打ち際のように不規則に蛇行したような形であったりする。

 ※塗装で言うところの「ゆず肌」とは明らかに別物

 

 それを防ぐために施工箇所を念入りに脱脂し、1度に混合する量をある程度増やすことで混合比のズレを無くし、シンナーで薄める割合も慎重に行えばいいのだけど、一旦コツをつかんでもたまにしか使わないと次の時にはコツを忘れてしまう。

 

 そのコツというのが紙に書いて覚える類のものではなく、感覚的なコツなのと希釈の割合もその時の湿度や気温で微妙に変わる。

 ※夏と冬では同じ希釈の割合でも粘度や厚みなど仕上がり方が異なります。

 

 なので施工のたびに一定の割合(僕の未熟な腕だと3割くらい)で失敗する。

 それでもウレタンクリヤーEXと比べれば超楽だけどね。

 

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未熟な僕でも失敗は1割程度。ナガシマ エポキシハンドレッドコート

 

www.nagashima-manbou.co.jp

 

 

 

 まだ使用回数が少ないんだけど、比較検証のため東邦産業エポキシコートと交互に使ってみた結果、失敗の割合は1割程度なので未熟な僕でもすごく使いやすい。

 

 耐久性はまだわからないけれど仕上がりも奇麗。 

 

 ただし、ボトルから直接攪拌皿に入れるのは正確な混合比が出せないので東邦産業エポキシコートなどに付属している注射器を使っています。

 

 注射器は他社のでも問題無いので単品で購入できるよ。

 

 

 

今のところミスなし。ジャストエース エポキシコート(JEC-40、JUC-50)

 

www.justace.co.jp

 

 

 

 

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■2021/04/08

 久しぶりにナガシマ エポキシハンドレッドコートを使おうと思いましたが攪拌した時点で若干白濁が発生。

 諦めてジャストエースにしたところこちらは問題無くキレイに攪拌できました。

 今後、他のメーカーを試す可能性もありますが、現時点で僕が一番おすすめするのはジャストエースということにします。

 ※ジャストエースのJUC-50も数回試してみましたがやはりノーミス。JEC-40同様すごく使いやすい!

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 また、僕が以前ガイド修理を依頼していた釣具店、店員のおすすめは(どれが良いか若干迷っていた末)、JUC-50が比較的施工が簡単で品質もよいということだった。

 ※この店では東邦産業 エポキシコートナガシマ エポキシハンドレッドコートと、ジャストエース JEC-40、JUC-50を使い比べているみたい。

 

 ただ、メーカーのHPを見たところJUC-50は粘度が低く透明度が高いが、塗膜が薄いので厚く塗るなら回数を増やすよう書かれている。

 

 僕は基本的にショアジギングロッドに厚塗りなので厚塗りに向くJEC-40を購入した。

 実際使ってみた感想も他社と比べて決して悪くないと思うのでJUC-50がかなり透明度が高いんだろうね。

 

 粘度については基本的にうすめ液で希釈するので問題なし。

 

 ※ジャストエースに限らず、うすめ液で希釈しすぎると硬化不良を起こすので注意が必要です。

 ※うすめ液(シンナー)は有害なのできちんと換気を行ってください。

 

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あると便利、無いと困るアイテム

 

 

 少々高いけれど、これが無いと話にならない。

 

 

 

 これは僕がほしいやつです。

 

 

 

 
 釣具屋でよく見かけるのは日輪というメーカー。
 老舗らしいので品質は良いと思うんだけど僕がよく使う黒は施工後、太陽光に照らすとやや青白がかった黒に見えるので今は常に真っ黒なジャストエースを使っている。
 
 ※ロッドメーカーによっては日輪のタイプを使っているケースもあり。
 
 ジャストエースは各色ごとに太さの異なる2種類がある。
 よく使うのは太い「C」。
 対して「A」は細いんだけど、僕は巻きムラをなるべく少なくしたい場合や小さいガイドの場合に使っています。
 
 ショアジギングロッドであればCだけでもなんとかなるよ。
 
 ちなみに日輪の「細」はジャストエースのC(太い)よりも太いのでメーカーによる太さの違いにも注意してください。

 

 

 

 
 最初は割りばしやプラスチックのヘラを使っていたんだけど、気泡が多く発生したり、ムラが発生したりしていた。
 ガラス棒にしてからはそういった問題が激減。
 片方の先端が球状になっているんだけど、これは丸くても真っすぐでもお好みで良いと思う。
 
 

 

 以前はステンレス製の塗料皿と樹脂製の塗料皿を使っていたんだけど、このミキシングカップが攪拌しやすく、空気に触れる面積が小さいため溶剤の揮発も遅めで重宝しています。

 

 

 

 これは安いのでうすめ液としてではなく道具の洗浄用に使っています。

 

 

 

 

 エポキシを塗った直後に気泡を抜くため使用します。

 ライターなどを使うとススで汚れるのでアルコールランプが便利。

 ちなみに僕はロッドのグリップに熱収縮チューブを巻くときにも使っています。

 

 アルコールはティッシュやウエスにしみ込ませて余分なエポキシ樹脂をふき取るのにも使えるよ。

 

 ※アルコールはよく燃えるので取り扱いは注意してください。

 

 

 
 付属品の注射器を使用後きちんと洗浄していればいいんだけど、僅かでも樹脂(特に硬化剤)が残っていると硬化して目詰まりしてしまう。
 
 ※硬化剤は混合しない単体の状態でも蓋を開け閉めを繰り返したり、新しい空気に触れ続けると徐々に硬化します。

 

 なので予備に1つは持っていたほうがいいかもしれない。

 

 

 

 マスキングテープは数種類あると便利。

 中でも使用頻度が高いのは18mm幅。

 スレッドコーティングの下地作りにペーパーをかけるときによく使う。

 

 その次に使うのは9mm幅。

 これはガイド取付の仮止めによく使う。

 

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【ウラ技】スレッドのコーティングは筆を使わずアレを使う!

 

 最初の頃はずっと筆を使っていたんだけど、釣具屋の店員がもっといい方法を教えてくれた。

 

 何を使うかと言うと、

 

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 上の画像の左端にあるやつ。

 

 これは何かというと、エポキシ樹脂やルアーのパッケージによく使われている透明のやつ(PETとかPPなど)を適当な大きさのヘラ状に切っただけ。 

 

 黄色い帯は作業中どこに置いたか見失わないよう目印として貼ったマスキングテープです。

 

 これの良いところは、

 

 材料費はほぼタダ

 好きな大きさにカット可能

 面倒な洗浄は不要

 エポキシを塗るのも、盛るのも超簡単

 耐久性も筆より上

 ヘラを持つ指の力を加減することでスレッドの曲面に沿わせることができる

 筆と違って長時間の作業でもヘラ自体は硬くならない 

 

 もうこれを知ったら2度と筆を使う気にはなれません。

 

 

 

 

仕上がりのクオリティを気にしないならこれもあり

 

 
 コニシには何種類かエポキシ樹脂があるんだけど、釣具に使う場合は耐水性が最も高いこれを勧められた。
 
 透明度(というか薄い黄色)がやや難ありなんだけど、気にしなければ済む話。
 スレッドに使う場合のコツはうすめ液をスレッドにほんの少ししみ込ませた状態で薄く下塗りすると馴染みがよくなる。
 
 ※メーカーが推奨する方法ではありません。
 
 ただし薄めすぎると強度低下や硬化不良を起こすので最初は慣れが必要。
 一度慣れてしまえば簡単にスレッドコーティングできる。
 
 ただし、硬化にそこそこ時間が必要なので厚塗りする場合でフィニッシングモーターなどの回転台がを使わない場合はもう少し硬化の早いタイプがいいかもしれない。
 
 ※24時間後でも爪で押すと薄く跡が付く。完全に硬くなるには数日必要です。
 
 ちなみにダイソー2液性のエポキシ樹脂も持っているんだけど、逆に効果スピードが早い(5分硬化開始型)ので難易度はやや高め。
 ただしロッドビルディングでエンドキャップやEVAグリップの接着など、作業が簡単で外から見えない部分であればダイソーのでも十分使えるし強度も結構あるよ。
 

 

 

 お手軽チューブタイプの2液性エポキシ樹脂の中ではかなり透明度が高いのがこの商品。

 器用な方ならパっと見では区別がつかないくらいに仕上げることができるんじゃないかな?

 硬さも十分。

 

 効果開始時間がEセットより早いので一度にたくさんのスレッドをコーティングするには少しずつ小刻みに取り出しての攪拌が必要。

 

 ※ただし完全硬化までの時間もEセットより断然早いので急ぐときは便利。

 

 少々お値段が張るのが難点だけど、グリップの補修やガイドリングの接着などに使ってもすごく使いやすい。

 

 耐水性もあるけれど、コニシのEセットと比べてどちらが上かはわかりません。

 

 両方持っている方がいいけれど、あえてどちらか1つに絞るなら透明度が高く、硬化時間的にも作業がはかどるS-31がお勧め。

 

 

 

追記あり】2液性エポキシ樹脂の注意点

 

 メーカーによっては「気温が低い場合はあらかじめ液をあたためて使用すると粘度が下がり使いやすくなる」ということを書いている場合がある。

 これ、必要な分を取り出して攪拌前に個別に温めるならよいけれど、取り出す前に容器ごと温めるのはやめておくほうが良いと思います。

 なぜかというと硬化剤が容器の中で固まる可能性が高いからです。

 過去に2回ほどこれで失敗して捨てる羽目になったことがあるので注意してね。

 

 ■2021/11/13 追記

 保管中に主剤が湿気を吸って白濁し、そのまま長時間放置するとドロドロになることがある。

 この場合、(あくまでも硬化剤ではなく)主剤であれば60度くらいのお湯に数分漬けておくと透明になるよ。

 温める場合は容器ごとお湯に漬けてOKなんだけど、鍋に水を入れて容器ごと放り込んで火にかけるというのは一部分だけが過剰に過熱されるかもしれないのでやめておいたほうが良いと思います。

 ※高温で温め過ぎると使い物にならなくなるらしいので注意してください。

 

 容器にA剤、B剤と書かれてあることも多いけれど、多くのメーカーはA剤が主剤

 また一般的な硬化剤は若干黄色がかっているので見た目で判断もできるけれど中には例外があるかもしれず、分からない場合は念のためメーカーに確認するのが無難です。

 

 

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まとめ

 

 ネットで探せばもっと使いやすいエポキシ樹脂があるのかもしれないけれど、釣具屋でよく見かける身近なもので比較してみました。

 

 ロッドの補修は滅多にやらないのであまり深い話の記事ではないけれど、どこかで誰かの役に立っていればいいな。

 

 今日はここまで。

 

 (≡ΦωΦ≡)ノシ マタネー